第122話.年が明けて、魔法の授業
季節は巡り、2度目、3度目、4度目と貴族学校との交流会も無事に終わった。エメリアは、アルベルトをはじめとする友人たちとの交流を深め、学園生活を満喫していた。年が明けると、彼女は11歳になり、平民学校での2年目を迎えた。
2年生になると、授業の内容はさらに専門的になり、新たな教科が加わった。その一つが、本格的な魔法の授業だ。
エメリアは、魔法の授業に胸を躍らせていた。彼女は、アルカディアス公爵の魔道士であるセバスチャンが使っていた魔力を、身をもって体験している。そして、**『改造』スキル』で魔力を無効化する砂を作り出した経験から、魔法と『改造』スキル』**の間には、何らかの関連性があるのではないかと感じていた。
(私の**『改造』スキル』は、この世界の魔法とは違う。でも、もしかしたら、『改造』スキル』**で魔法の仕組みを解明したり、魔法と組み合わせて、新しい何かを生み出せるかもしれない……!)
エメリアの心には、新たな**『閃き』**の予感が満ちていた。
魔法の授業が始まると、エメリアは、教師が説明する魔法の概念に、熱心に耳を傾けた。彼女は、魔法を単なる神秘的な力としてではなく、物理法則や化学反応のように、論理的なものとして捉えようとした。
クラスメイトたちは、魔法が使えるかどうか、そしてどの属性の魔法が使えるのかと、ざわついていた。しかし、エメリアは、魔法が使えるかどうかよりも、魔法の仕組みそのものに強い興味を抱いていた。
(私の**『改造』スキル』は、物質の分子構造を書き換える。もし魔法が、何らかの形で物質の構造に影響を与えるものだとしたら……。魔法の仕組みを解明できれば、『改造』スキル』**で、それを応用できるはずだ!)
エメリアの瞳は、新たな知の探求に燃えていた。彼女にとって、魔法の授業は、単に魔法を学ぶ場ではない。それは、自分の持つ**『改造』スキル』**という異能の可能性を広げ、この世界の神秘に触れるための、新たな挑戦の始まりだった。