芹沢鴨の異世界日記 第四十七話


俺の剣に纏わりついた雷は、雷兎が放った雷の魔力が、俺の『スキル作成』によって、俺の剣術と融合した、新たな力だ。俺は、その剣を携え、雷兎に向かって、一気に間合いを詰めた。

「『雷剣』……一の太刀!」

俺は、剣を振り抜いた。

俺の剣から放たれた斬撃は、電光を放ち、雷兎の身体を、正確に捉えた。

ギィィィン!

甲高い金属音が響き渡る。雷兎は、俺の一撃によって、一瞬で、身体を硬直させた。

その隙に、俺は、再び剣を構えた。

「『雷剣』……二の太刀!」

俺は、剣を振り抜いた。

今度は、雷兎の身体を、まるで豆腐のように、切り裂いていく。

雷兎は、悲鳴を上げる間もなく、その身体を、光へと変え、消滅していった。

静寂が、再び、星の道を支配する。

俺は、荒い息を吐きながら、剣を鞘に納めた。

「……やったのか……?」

アルベルトが、信じられない、といった表情で俺を見た。

「ああ。終わった」

俺は、そう言って、力なく微笑んだ。

その時、俺たちの頭の中に、声が響いた。

《スキル『雷剣』のスキルレベルが上昇しました。》 《アルベルトのスキル『フレイムボルト』のスキルレベルが上昇しました。》

俺とアルベルト、二人のスキルが、同時にレベルアップした。

「……すげえ! 俺のスキルまで、レベルアップしたぞ!」

アルベルトが、嬉しそうな声で叫んだ。

俺は、その言葉に、納得した。

俺が、雷兎の雷を取り込んでスキルを作成したことで、俺のスキルがレベルアップしただけでなく、アルベルトのスキルも、レベルアップしたのだ。

それは、まるで、俺たちの絆が、スキルとなって、強くなったかのようだった。

俺は、アルベルトの元に駆け寄った。

「感謝する、アルベルト。お前のおかげで、俺は、また一つ、強くなった」

俺は、そう言って、アルベルトの肩を叩いた。

アルベルトは、俺の言葉に、照れくさそうに笑った。

「はは! 俺は、何もしてないぜ!」

「馬鹿を言うな。お前の存在が、俺を、強くする」

俺は、そう言って、アルベルトをまっすぐに見つめた。

アルベルトは、俺の言葉に、満面の笑みを見せた。

俺たちは、雷兎を倒し、その魔石を手に入れた。

これで、神々の都アトランティスへ向かうための、道が、また一つ、開かれた。

俺は、この剣と、この仲間と共に、魔王を倒す。

そして、その旅路の果てで、俺は、俺自身の、新たな剣を見つける。

俺は、そう、心に誓った。