芹沢鴨の異世界日記

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バラバラになったスケルトンたちの身体の中心から放たれた紫色の光は、まるで生きているかのように、不気味な形を保ちながら宙を舞っていた。その光の塊は、俺たちがこれまでに遭遇したどんな魔物とも違う、禍々しい気配を放っている。

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スケルトンたちの連携攻撃に動きを封じられた俺は、舌打ちをした。一体一体は弱い。だが、数が多く、そして何より、知能が高い。まるで、俺の動きを予測しているかのように、完璧なタイミングで攻撃を仕掛けてくる。

「くそっ……

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冒険者ギルドの掲示板を、俺とアルベルトは二人で眺めていた。俺の隣で、アルベルトが真剣な表情で依頼書を吟味している。

「なあ、芹沢。次の依頼は、どうする? お前の新しいスキルを試すなら、やっぱり強力な魔物討伐がいいか

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『神速』のスキルを試した後、俺たちは王都へと戻った。俺の身体にはまだ疲労感が残っているが、新たな力を手に入れた高揚感が、それを上回っていた。

「どうだ、芹沢。お前の新しいスキルは」

アルベルトが、興奮し

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『神速』のスキルが心臓に刻まれた瞬間、俺の身体の中を駆け巡っていた熱い波動が、一気に収束していった。そして、俺は、自分の身体が、これまでとは全く違う、新たな感覚に包まれているのを感じた。

「……これが、『神速』か」

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王都グランベルに帰還した俺たちは、まず冒険者ギルドへと向かった。ギルドの受付で、俺は懐から取り出したグリフォンの羽と魔石をカウンターに置いた。

「こ、これは……グリフォンの羽と魔石! まさか、本当に手に入れてきたん

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背中に生えた翼は、まるで俺の身体の一部であるかのように、俺の意志に完璧に従った。俺は、空を自由に舞い、上空から襲いかかってくる鷲の魔物たちを、冷静に見据えた。

「行くぞ……!」

俺は、そう叫ぶと、剣を構

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鷲の魔物たちの群れに囲まれ、俺は絶体絶命の窮地に陥っていた。肩から流れる血が、俺の身体から力を奪っていく。

「くそっ、キリがない……!」

俺は、そう言って、舌打ちをした。

その時、俺の背後か

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グリフォンを討伐した俺は、身体が重力に引かれて、絶壁の下へと落ちていく。だが、俺の顔には、勝利の笑みが浮かんでいた。

「ふん。まあ、なんとかなるだろう」

俺は、そう呟くと、再び、頭の中で『スキル作成』の

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絶壁山脈の山頂は、吹き荒れる風と立ち込める霧に包まれていた。足元の断崖絶壁の下には、どこまでも続く雲海が広がっている。俺は、その雲海の上を旋回するグリフォンの姿を、じっと見つめていた。

「……行くぞ、アルベルト」