芹沢鴨の異世界日記

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冒険者ギルドの掲示板には、今日も様々な依頼が張り出されていた。アルベルトは、掲示板を真剣な表情で眺めている。

「どうだ、アルベルト。何か良い依頼はあったか?」

俺が声をかけると、アルベルトは振り返り、一

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宿の一室で、俺は剣を握りしめていた。新しいスキル、『剣術融合』。俺の北辰一刀流と、この世界の剣を一体化させる、まさに俺の剣術の真髄を極めるためのスキルだ。

朝方、俺は目を覚ますとすぐに、その感触を確かめた。手のひら

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酒場を出て、俺とアルベルトはそれぞれの宿へと向かうべく、夜道を歩いていた。俺の頭の中は、先ほどのアルベルトの話で一杯だった。

「家族を失った……か」

ポツリと呟くと、アルベルトが横から俺の顔を覗き込む。

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コボルトの群れを一掃した後、霧の森は静寂に包まれた。俺は、剣を鞘に納め、荒い息を整える。アルベルトは、まだ呆然とした様子で、俺を見つめていた。

「おい、いつまで突っ立ってるつもりだ。さっさと魔石を回収するぞ」

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霧の森に響く、コボルトたちの威嚇の唸り声。俺たちは、その群れに完全に囲まれてしまった。

「くそっ、これじゃあ、動きが取れない!」

アルベルトが、焦りの声を上げる。コボルトは、身体は小さいが、俊敏な動きで

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酒場でアルベルトと別れ、宿に戻る道すがら、俺は一人、夜の街を歩いていた。王都グランベルの夜は、日本のそれとは比べ物にならないほど明るい。石畳の道には等間隔に、魔法の明かりを放つ灯りが設置されている。

「……まるで、

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森の狼を討伐し終えると、アルベルトはまるで子供のように目を輝かせて俺を見つめていた。

「おい、芹沢! 今の、もう一度見せてくれよ! なんだ、あの抜刀術は! 俺は剣を十年近くやっているが、あんな凄まじい一撃は見たこと

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森の中は、日本のそれとは全く違っていた。生い茂る木々は、見たこともない奇妙な形をしており、地面には苔むした石や、不気味な色のキノコが生えている。そして、どこからともなく聞こえてくる、獣の鳴き声。

「ここが、討伐依頼

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宿の一室を出ると、俺の目に飛び込んできたのは、見たこともない光景だった。石畳の道がどこまでも続き、道の両側には木造ではない、頑丈そうな石造りの建物が立ち並んでいる。どの建物も背が高く、窓には透明な板が嵌め込まれている。空には、

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暗闇の中、俺の意識はゆっくりと覚醒した。いや、覚醒というよりは、無理やり引き戻された、と言う方が正しいかもしれん。

「……くそっ、土方、てめぇ……!」

口から漏れ出たのは、憎悪と後悔にまみれた罵声だった